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ノロウイルス食中毒
Posted on December 24th, 2008 No commentsノロウイルス自体はありふれたウイルスで、食品を媒介とする食中毒と、人から人にうつる感染症の2つの顔をもっています。食中毒は、ここ数年、年に250件前後、患者数にして約1万人報告されており、細菌性のカンピロバクターやサルモネラに次いで多く、発症人数では第1位になっています。
学校給食などによるものが多い
食品は生ガキによるものが多いと考えられていましたが、最近では学校給食などが原因で起こる食中毒の中にこのウイルスによるものがあることがわかってきました。この場合は、下痢中、または下痢が治った後の職員が調理に関係している二次感染が多いという報告があります。
感染性胃腸炎の原因にもなる
ノロウイルスは人から人への感染症では、おもに感染性胃腸炎の原因にもなります。新感染症法で5類感染症のひとつに分類され、全国の小児科3000カ所で定点調査、流行の動向が監視されています。2004年、広島県某市の特別養護老人ホームをはじめ各地の福祉施設などで高齢者の集団感染が起こり、ノロウイルスの存在が注目を集めた経緯があります。このようにノロウイルスによる胃腸炎は食中毒として起こるほかに、医療機関や老人施設などにおける接触感染によっても起こり、最近は後者の広がり方が問題視されています。対策は食品を介するものは加熱を十分にすること(カキフライでも加熱が不十分だと起こるという報告があります)。接触感染対策には下痢便、吐物の処理にはゴム手袋をつけるか、流水と石けんで念入りに手洗いをすること、または次亜塩素酸ナトリウムで消毒することです。アルコール消毒は無効です。
症状は軽く無治療で治ることが多い
潜伏期間は30時間程度です。症状は下痢や嘔吐[おうと]が中心で、腹痛や発熱を伴うこともありますが、1日程度で無治療のうちに治ることが多いものです。感染しても発症しない人が2〜3割います。(阪上賀洋)
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セレウス菌食中毒
Posted on December 24th, 2008 No commentsセレウス菌に汚染された食品を加熱調理した後、室温に長時間放置したものを食べて起こります。嘔吐[おうと]を主とする型と、下痢を主とする型があります。嘔吐型は食べて1〜5時間後に起こってきます。これは毒素による症状であるとされていますが、焼き飯や米飯が原因食品であることが多いようです。下痢型は8〜16時間後に腹痛とともに下痢が起こってきます。原因食品としては、肉類、スープ類、中華料理などが多いとされています。どちらの型の食中毒も症状としては軽く、1〜2日で自然に回復します。
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ウェルシュ菌性食中毒
Posted on December 24th, 2008 No commentsウェルシュ菌に汚染された食品によるもので、潜伏期間は食後8〜12時間です。症状は腹痛、下痢、嘔吐[おうと]で、熱はほとんどみられません。下痢は1日数回で1〜2日で治まります。便に粘液、血液がまざって赤痢とは区別が難しい場合もあります。仕出し弁当や給食で、大規模な食中毒事件を起こすことが多くなっています。豚肉などの獣肉、鶏肉などを原料とする食品(例えば肉団子、シューマイ、コロッケなど)や魚介類を原料とする食品(煮物、フライ、練り製品など)が原因となることが多いとされています。
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ボツリヌス菌食中毒
Posted on December 24th, 2008 No comments発生はごくまれだが、死亡することもある
ボツリヌス菌によるものです。頻度は少ないのですが、細菌性食中毒の中ではもっとも恐ろしいものです。原因食品としては、わが国では「いずし」など、魚介類を用いた保存食品が多いのですが、1984年に熊本でカラシ蓮根による食中毒事件が起こりました。この際には患者36人、死亡者11人で実に31%もが死亡したことになります。この菌自体は特に毒性を示さず、菌のつくった毒素が猛毒であるために起こる食中毒です。この菌は芽胞[がほう]といって非常に熱に強い形に変わりうるため、自家製の缶詰などでは完全にこの芽胞を殺せません。その結果、生き残った芽胞が増殖して毒素を産生して起こるのがこの食中毒で、次のような症状を起こします。
緊急入院し毒素を中和する
ボツリヌス中毒にかかると、食後2〜4時間でめまいや頭痛が始まり、視力低下や物が二重に見えるというような症状が現れます。全身の筋肉の麻痺[まひ]が起こるので、声がかすれる、ものが飲みこみにくくなり、さらには呼吸ができない、というような症状が出ます。何よりもまず人工呼吸のできる病院に緊急入院することです。抗毒素血清を注射して、毒素を中和することも必要です。
1歳以下の乳児では、ハチミツに注意
乳児の場合には、乳児ボツリヌス症というのがあります。これは1歳以下の乳児に、ハチミツを食べさせると、ハチミツの中に混入しているボツリヌス菌が乳児の腸内で増殖して毒素を産生するために起こってくる病気です。厚生労働省は乳児にハチミツを与えないように警告しています。なお、ボツリヌス菌は芽胞が熱に強くても、菌がつくった毒素は熱に弱いので、数分の煮沸[しやふつ]で無毒化することができます。
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黄色ブドウ球菌性食中毒
Posted on December 24th, 2008 No comments黄色ブドウ球菌はどこにでもいるごく普通の細菌です。しかし、この菌が食品中に入ると毒素を産生し、食中毒の原因になります。この毒素は熱に強いので加熱しても無毒化できません(100℃、30分間の加熱でも無毒化できません)。原因になりやすいのが調理人の手の傷です。傷口や化膿部分には黄色ブドウ球菌が多く、これが調理中に食品に入るためです。ですから、原因食品としてはおにぎり、おにぎり弁当などのほか、洋菓子、すしなどが多いのです。調理後時間がたってから食べると食品中に毒素が大量に増えて、これが急性胃腸炎を起こします。この食中毒の特徴は、潜伏期間が短いことで、食後2〜4時間で腹痛、吐き気、嘔吐[おうと]、下痢をきたします。吐き気、嘔吐が激しいのも特徴です。熱は37.5℃程度以下です。予後は良好で死亡することはきわめてまれです。
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病原大腸菌性食中毒
Posted on December 24th, 2008 No comments大腸菌は人の腸管内に常在する菌です。病原大腸菌は、こうした大腸菌のうち、赤痢菌と同様に組織内に侵入する能力があったり、コレラ菌と同様にコレラ毒素と呼ばれる毒素を出したり、A群赤痢菌の血清型1と同様なベロ毒素という強い毒素を出したりして、人に病原性を示す大腸菌のことで、5つの群に分けられています。おもな症状は腹痛、吐き気、嘔吐[おうと]、下痢などのほか、特に腸管出血性大腸菌(O157:H7など)による場合は、熱はせいぜい37.5℃以下とあまり高くないことが多いのですが、腹痛がきわめて強いのが特徴です。また、溶血性尿毒症症候群(HUS)や血栓性血小板減少性紫斑病を併発して重症化したり、死亡することもあります。
旅行者下痢症の原因としてもっとも多い
熱帯、亜熱帯の発展途上国などへの旅行者がかかる下痢を、旅行者下痢症と呼びますが、なかでももっとも高頻度に検出される菌は、コレラ菌と同じコレラ毒素を出す毒素原性大腸菌です。この菌が原因で起こる食中毒が海外へ出たことのない人にも起こることがあります。症状は水様下痢が中心で、血便は出ません。原因はおそらく輸入食品に付着して入ってくるものと考えられていますが、確実ではありません。放置しても自然に治りますが、抗菌薬で治療する場合もあります。
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カンピロバクター腸炎
Posted on December 24th, 2008 No commentsカンピロバクターは牛、鶏などの腸管内に常在しています。ですからこれらの動物の肉類やミルクを生、または半生状態で飲食すると感染しやすい食中毒です。鶏肉の生、焼き鳥などが原因になることが比較的多い病気です。乳幼児が血便を出した場合には腸重積症[ちようじゆうせきしよう]が否定できればこの病気を疑う必要があります。いずれの場合も、早く医師の診察を受けることです。治療は、嘔吐[おうと]、下痢、脱水などに対する対症療法が主です。しかし、症状の強い場合には抗生物質によって症状のある期間を短縮することができます。
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腸炎ビブリオ性腸炎
Posted on December 23rd, 2008 No comments腸炎ビブリオ(菌の名前)による食中毒は、わが国では非常に多いものです。例年6月に入ってから出はじめ、冬季になるとなくなります。
【潜伏期間】
10〜24時間です。症状は、上腹部の不快感で始まることが多く、次いで熱(38℃程度のことが多いようです)、腹痛、吐き気、嘔吐[おうと]、下痢などを起こしてきます。下痢は粘液、血液のまざっていることがあり、赤痢と間違えられることもあります。回数は1日に20回を超えることもありますが、10回程度のことが多いようです。どの症状も1〜2日、長くとも1週程度で治まることが多く、この意味では軽症食中毒といえます。しかし、まれながらもこの菌の出す心臓毒のために死亡する事例があり、注意が必要です。このような死亡事例を防ぐには、生の魚介類を避ける以外に方法がありません。
治療は抗菌薬を使う
治療は、短時間に自然治癒することが多いので、対症療法がおもなものです。ニューキノロン剤と総称される抗菌薬を用いると、症状のある期間を少しは短縮することができますし、症状自体も軽減できるようです。
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サルモネラ腸炎
Posted on December 23rd, 2008 No comments加熱不十分の卵は要注意
サルモネラという菌が原因で起こる急性食中毒で、もっとも頻度の高い食中毒のひとつです。原因として多いのは卵、肉類などで、特に加熱不十分な鶏卵、生のウズラの卵は要注意です。卵の外部の汚れだけでなく、卵の内部に菌が入っていることがあり、保冷が不十分だと食中毒を起こしやすいのです。生卵、半熟卵はむろん、錦糸卵のように、加熱しているはずの食品でも加熱が不十分だと残った菌の増殖の程度によってはサルモネラ食中毒が発生していますし、卵を原料のひとつとして含む調理食品で全工程が非加熱で食べるような場合(アイスクリームなど)には、当然ながら夏季には特に注意が必要です。
急な発熱と激しい下痢が起こる
サルモネラ腸炎の潜伏期間*は12〜72時間、多くは18〜36時間です。症状は急な発熱(40℃を超えることもあります)、吐き気、嘔吐[おうと]、腹痛と激しい下痢です。腹痛はかなり強い上腹部ないしは下腹中央部の痛みで、間欠的に強い痛みの波がくり返し襲ってきます。下痢は食中毒の中ではもっとも程度の強い部類に属し、1日20回を超えることも珍しくありません。便はまったくの水様のことが多く、多少緑色がかっていることがあります。また、便に血が混じることも少なくありません。
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包虫症(エキノコックス症)
Posted on December 23rd, 2008 No comments多包条虫と単包条虫の2種類の条虫の幼虫が、幼虫のまま寄生しているのを包虫症と呼びます。包虫はオオカミ、キツネ、犬の腸管につく寄生虫です。これらの動物が排泄[はいせつ]したふん中の虫卵を、草や飲料水とともに飲み込んで感染します。体内では幼虫のまま袋(嚢胞[のうほう])をつくって寄生し、肝臓に定着することがもっとも多いのですが、肺、脳、骨などに病変をつくることもあります。単包条虫では球形の袋が徐々に増大し、感染10〜20年もするとバレーボール大になります。多包条虫は、やや異なり海綿状の構造をして、周囲を侵食しつつ拡大します。そのため、寄生している臓器が圧迫される症状や、肝臓の腫れがみられます。CT検査で病変は明瞭に認められます。多包条虫は北海道に広く分布するようになり、キタキツネや犬の感染率が上昇しています。これらの動物のふんで汚染された土地の草や水には注意が必要です。流行地では飼犬に感染させないことも重要で、定期的に検便をするようにします。(多田 功)












