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神経因性膀胱
Posted on December 10th, 2008 No comments大脳から脊髄[せきずい]を通って膀胱に至る神経のいずれかの場所が、障害を受けて膀胱のはたらきに異常をきたした状態を、ひとまとめに神経因性膀胱といいます。障害の場所が脳か、脊髄[せきずい]か、末梢[まつしよう]神経かによって神経因性膀胱は、大まかに次の3つに分けられます。(1)大脳の障害による場合は、排尿困難はないが尿をためにくい状態、つまり、頻尿や切迫性尿失禁のタイプが多くなります。(2)脊髄障害型は複雑ですが、排尿困難と尿失禁が同時に両方ともみられることが普通です。(3)糖尿病や骨盤腔内手術などで末梢神経が障害された場合は、排尿困難の傾向が強くみられ、溢流性[いつりゆうせい]尿失禁を伴うこともあります。いずれにしても神経因性膀胱の管理は、泌尿器科的な検査に基づいて、いろいろな合併症を予防するだけでなく、少しでも快適な生活ができるように工夫されてきています。(横山英二)
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夜尿症
Posted on December 10th, 2008 No comments夜眠っている間に尿が漏れてしまうことを、夜尿症といいます。おねしょのことです。赤ちゃんはだれでもおねしょをしますが、普通は成長とともにだんだんとおねしょをしなくなります。5歳を過ぎても、ほとんど毎晩おねしょをするようなら治療の必要があるといえるでしょう。子どもの場合は、明らかな膀胱[ぼうこう]の異常が発見できることもありますが、排尿コントロールが十分発達していないために、夜尿症になっていることが多いようです。成人でもまれに夜尿症がありますが、この場合は膀胱の異常収縮が原因になっていて、切迫性尿失禁を合併している場合が多くみられます。薬物療法をしながら成長を待っていると、だんだん治ってくるのが普通です。夜間尿量が多いために夜尿症になっている場合は、尿量を減らす目的で抗利尿ホルモン薬の点鼻療法が有効です。
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心因性頻尿
Posted on December 10th, 2008 No comments1日に10回以上あるいは、1晩に2〜3回以上トイレに行く状態は、頻尿といって明らかに異常です。頻尿の原因には、いろいろな理由で膀胱の容量が小さくなる場合、膀胱炎などで膀胱の知覚が亢進[こうしん]している場合、糖尿病などで尿量が増えた場合などを挙げることができます。なかにはいろいろな検査でも尿路には異常がみつからず、ストレスなどが原因の場合があります。このような頻尿症は心因性頻尿といわれ、ほかの頻尿や神経因性膀胱、神経疾患に伴う頻尿とは区別されます。夜間トイレに起きることはなく、尿失禁もみられないことが特徴です。治療には、抗コリン薬や精神安定薬などの薬物療法と、意識的に排尿をがまんするトレーニングなどを含んだカウンセリングが用いられますが、なかなか治りにくい場合もあります。
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尿失禁
Posted on December 10th, 2008 No comments自分の意志に反して勝手に(不随意に)尿が漏れ、これが衛生的にも社会的にも問題となる状態を尿失禁といいます。直接、生命をおびやかすものではありませんが、尿失禁があると日常生活はとても不便で、“生活の質”が損なわれるばかりでなく、精神的にも大きな圧迫感や不快感をもたらすものです(図13―13)。
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尿路結石症
Posted on December 10th, 2008 No comments結石の位置によって名称が異なる
結石のある位置によって、腎盂[じんう]や腎杯[じんぱい]にあれば腎臓結石、尿管に下がってくれば尿管結石、膀胱内[ぼうこうない]にあれば膀胱結石、尿道に引っかかっていれば尿道結石と呼び、これらを総称して尿路結石といいます。また、腎杯、腎盂を鋳型状[いがたじよう]に占めて、まるでサンゴのような形をした腎臓内の大きな結石をサンゴ状結石と呼びます。1995年に発表された日本での尿路結石の全国規模の調査結果によると、約15人に1人が一生のうち一度は結石に悩まされるというくらい、尿路結石は頻度の高い病気なのです。男性が女性の2倍以上を占め、青年期から壮年期にかけて多く、子どもには比較的まれな病気です。
症状は背部やわき腹の激痛と血尿
痛みの程度や性質はいろいろ違いがありますが、その典型的な痛みは疝痛[せんつう]です(図13―11)。
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小児慢性腎不全
Posted on December 10th, 2008 No comments慢性腎不全は現状維持を治療目標に
腎臓になんらかの異常が起こり、はたらきが低下して、正常におけるはたらきの60%未満になると、「腎機能低下」といわれます。そしてさらに腎臓のはたらきが落ちてくると、慢性腎不全と呼ばれる病態になります。
【内分泌[ないぶんぴつ]のはたらきを改善する治療】
腎臓では、エリスロポエチンという造血ホルモンがつくられ、またカルシウムの代謝に関係するホルモンのひとつであるビタミンDの活性化が行われます。慢性腎不全になると、エリスロポエチンが満足につくられなくなって不足し、貧血(腎性貧血と呼ばれています)を起こします。またビタミンDの活性化が行われないため、骨がもろくなります(腎性骨異栄養症[じんせいこついえいようしよう]と呼ばれています)。 治療として、腎性貧血に対しては、遺伝子組み換え型エリスロポエチンの注射が透析導入前、さらに透析導入後も行われています。腎性骨異栄養症に対しては活性型ビタミンDが処方されます。
【成長障害を改善する治療】
また慢性腎不全においては、子どもの背が伸びないという成長の障害が認められ、問題となります。成長障害の原因は、成長ホルモンに対する受容体が少ないことによりIGF-1という物質が相対的に低下することや、性ホルモン系の活性化の遅れに伴い成長ホルモン分泌が低下することなどさまざまです。最近慢性腎不全のお子さんの低身長に対して、比較的多量の遺伝子組み換え型ヒト成長ホルモン注射が用いられるようになり、効果が認められています。
【透析導入を遅らせる療法】
できるだけ透析導入を遅らせるために、血圧をコントールする薬や血液の脂質を下げる薬、尿酸を下げる薬、あるいは尿毒症性物質を吸着するクレメジン(R)などが用いられます。こうした治療にもかかわらず腎臓のはたらきがいよいよ低下してくると、透析導入を余儀なくされます。
小児には腹膜透析が多く用いられる
透析療法には、血液透析と腹膜透析があります。日本透析医学会によりますと、2000年12月31日現在、慢性透析患者の数は20万人を超えてなお増加中とのことです。そのうち15歳以下の子どもはわずか144名(0.07%)です。原因となる病気としては、低形成腎[ていけいせいじん]や異形成腎[いけいせいじん]などの先天奇形がいちばん多く、つづいて巣状[そうじよう]分節性糸球体硬化症が多いといわれています。また透析の内訳としては、血液透析30名、腹膜透析108名、不明・離脱6名とのことです。こうしてみると、15歳以下の子どもの患者さんにおいては腹膜透析が多いことに気がつきます。
子どもの腎臓移植
免疫抑制療法の進歩と小児泌尿器科的技術の向上のおかげで、ABO不適合*における腎臓移植や尿路の奇形を伴う腎臓移植治療成績が上がりつつあります。臓器移植法に伴う献腎移植が行われるようになりましたが、慢性腎不全の子どもへのドナー不足の現状はあまり変わりありません。また日本では、慢性腎不全から血液透析や腹膜透析を経ずに移植するプリエンプティブな(一挙に解決をはかる)移植が少ないことも問題であると思います。いずれにしても子どもの患者さんは平均余命が長いわけですから、生体並びに献腎移植のさらなる普及がぜひとも望まれるところです。(伊藤克己・宮川三平・服部元史)
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小児尿路感染症
Posted on December 10th, 2008 No comments原因菌をたたき、対症療法を行う
小児尿路感染症とは、尿路つまり腎盂[じんう]、尿管、膀胱[ぼうこう]、尿道に細菌・真菌[しんきん]あるいはウイルスなどの病原体が入り、炎症を起こす病気をいい、上部尿路感染症(腎盂と尿管の感染症)と下部尿路感染症(膀胱と尿道の感染症)があります。上部尿路感染症の臨床症状として、高熱、腰や背中の痛みがみられます。下部尿路感染症の臨床症状は、しょっちゅうトイレに行く(頻尿)、排尿時に痛む(排尿時痛)などです。細菌感染症に対しては、起炎菌に合った抗生物質の内服あるいは点滴静注が有効です。真菌感染症に対しては、抗真菌薬を投与します。ウイルス感染症には、ヘルペスウイルスやサイトメガロウイルス感染症など、特異的治療のある場合以外は基本的には対症治療です。
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溶血性尿毒症症候群
Posted on December 10th, 2008 No commentsO-157などが原因の急性腎不全
溶血性尿毒症症候群とは、古典的には病原性大腸菌O-157などの感染症によるベロ毒素などにより、下痢が先行し、次いで溶血(赤血球が壊れること)が起き、同時に腎臓[じんぞう]の血管の内側の壁の細胞(血管内皮細胞といいます)を傷つけ腎臓内に血の塊(血栓)が生ずるため、腎臓のはたらきが低下して、急性腎不全を起こしてしまう病気をいいます。病原性大腸菌O-157以外の原因としては、ほかの感染症に伴うもの、遺伝によるもの、免疫抑制薬などの薬によるものなどがあります。
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先天性の腎尿路の異常
Posted on December 10th, 2008 No comments外科的手術を行うこともある
先天性腎尿路疾患としては、低形成腎[ていけいせいじん]や異形成腎[いけいせいじん]、馬蹄腎[ばていじん]、重複腎盂尿管[ちようふくじんうにようかん]、先天性水腎症[せんてんせいすいじんしよう]などの先天奇形、膀胱尿管逆流現象[ぼうこうにようかんぎやくりゆうげんしよう]があります。低形成腎や異形成腎は、慢性腎不全の原因として重要です。治療としては、先天性尿路奇形や膀胱尿管逆流現象において尿路感染症をくり返し起こす場合は、尿路感染症の予防のため、抗生物質を長期に服用します。また尿管瘤[にようかんりゆう]、尿管開口異常、膀胱尿管逆流現象、後部尿道弁などに伴う先天性水腎症など、泌尿器的手術が適応となる場合は、小児泌尿器科で手術療法を選択します。不幸にして慢性腎不全に陥ったときには、透析治療や腎移植をします。
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小児ネフローゼ症候群
Posted on December 10th, 2008 No comments尿に大量のたんぱくが出て浮腫[ふしゆ]を起こす
ネフローゼ症候群の主症状は、むくみ(浮腫)です。ネフローゼ症候群では、尿に大量のたんぱくが出て、このため、血液のたんぱくが下がります。このことが血液の膠質浸透圧[こうしつしんとうあつ]を下げ、体液が血管腔[けつかんくう]より組織間液に移行するため浮腫が生じるのです。同時に、脂質調節物質が尿中に出てしまうため、肝での脂質とアポリポたんぱく合成が増加し、カイロミクロンと超低比重リポたんぱくコレステロール(VLDL)の異化の低下をきたし、高コレステロール血症が生じます(図13―8)。












